1. |
若年乳がん患者の発症時における学童期の子供がいる割合について
(日本の動向) |
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2005年の人口動態統計によると全出生数の母親の年齢別割合は、 25~29歳は31.9%、 30~34歳は38.0%となっています。そのため、子供がいる若年乳がん患者の場合、学童期の子供がいる割合が多いと考えられます。 |
2. |
親のがん罹患による子供への影響について
(海外での報告) |
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1) |
心理的苦痛の割合 |
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親の心身の安定が子供にも影響することが言われ、心理的苦痛を感じている子供の割合は、女児のほうが多いとの報告があります。 |
2) |
心理的苦痛を生じやすい状況 |
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子供に心理的苦痛が生じやすい状況としては、親がシングル・兄弟がいない・兄弟で一番年長であるといった家族背景や親の心身の状態が悪化した時などが言われています。 |
3) |
子供の心配 |
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子供の心配事としては、親のがんの副作用(脱毛/嘔吐など)に対する恐れや母親がいなくなる(死んでしまう)のではという心配、独りぼっちにされることへの恐れ、罪の意識 (自分ががんにさせた/自分が親を怒らせた/自分が悪いから見放された)、家事や兄弟の世話をしなければという負担、親の介護の仕方が間違っているのではという恐れ、自分もがんになるのではという困惑、他の人に話すことへの心配、経済的負担への心配などが挙げられています。 |
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3. |
乳がん患者が子供へ病気を説明する際の悩みについて
(海外での報告) |
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1)乳がんの母親としての思い |
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➀ |
子供に病気のことを話すのをためらう理由 |
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・がんや死についての質問をされるのを避けるため
・病気を知らされることによる子供の不安・苦悩から守るため
・子供が病気を理解できないと思うから
・家族との大切な時間を妨げたくないから |
➁ |
子供と情報を共有したい理由 |
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・子供には知る権利がある ・子供との信頼関係を保つため
・子供の不安を緩和するため |
➂ |
親が考える子供とのコミュニケーションで役立つもの |
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・子供の発達や年齢相応の対応の仕方
・病院で子供が専門家に話せる空間
・子供と話すための適切な言葉の情報
・子供は何が理解できて、いかに反応するか
・質問されたときいかに反応したらよいか |
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2)乳がん患者の子供の思い |
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➀ |
親が認識しているよりも、 子供は7歳頃よりがんが生命を脅かす疾患であることを十分認識していました。 |
➁ |
多くの子供たちは術後の母親を見る心の準備を必要とし、また化学療法/放射線治療と乳がんの原因の詳細な情報を知りたがっていました。 |
➂ |
一部の子供たちは、母親の主治医と話をしたがっていました。 |
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