現在、FDG-PET検査(通常、‘ペット検査’と呼ばれていますので、以下ペット検査と略記)は、非小細胞肺癌において非侵襲的な検査として診断に広く用いられています。これまでにペット検査におけるSUVmaxという標準化最大集積値が、腫瘍の悪性度や予後を反映するとの報告があります。
本研究では、このSUVmax値とさまざまな臨床理学的因子との関連を調べ、腫瘍の悪性度や進展の評価における意義について後ろ向きに検証します。 さらに、非小細胞性肺癌臨床病期IA期に対する縮小手術の適応の決定におけるペット検査の有用性について検討を行います。
◎対象
当九州大学消化器・総合外科(第二外科)において2003年4月から2008年12月までに非小細胞性肺癌で手術をされた方のうち、術前にペット検査を施行された方を対象に研究します。 ただし、術前に化学療法や放射線治療を施行した方は本研究からは除外致します。
◎方法
1) | 医療記録、画像情報、手術記録から臨床データを抽出します。 |
2) | 手術切除標本を用いて、癌の悪性度や進行度に関与する様々な蛋白分子(Ki-67、VEGF等)の発現を免疫組織化学染色法にて検討します。 |
3) | 非小細胞性肺癌原発巣におけるSUVmax値と癌の悪性度に関与する蛋白発現との関連を検討します。 |
4) | 臨床病期IA期の症例において、原発巣における臨床病理学的因子とSUVmax値を比較検討し、縮小手術の適応について検討します。 |
本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
もし、対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。
平成23年3月31日までの予定です。
本研究によって、ペット検査の外科治療における意義が明らかとなり、医学上の大きな貢献になるものと考えています。
九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)
教授 前原 喜彦
准教授 調 憲
〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
TEL 092-642-5466