原発性肺癌における上皮間様転換機構の解明に関する研究


当研究は当第二外科において2000年から2010年5月まで原発性肺癌を切除された方の切除標本を対象に研究させていただきます。

【はじめに】

現在、日本における原発性肺癌の死亡率は増加傾向にあり、癌死亡の第一位となっています。早い段階で発見された早期癌の治療症例にのみ治癒が期待できますが、実際には新たに他の場所に出現する転移や残りの肺に再発を来す症例が存在するのが現状です。原発性肺癌が広がってゆく進展や他の場所に新たに出現する転移形式に上皮間様転換機構が重要な役割を果たしていることが報告されており、同機構の解明が原発性肺癌の転移・再発する症例の有効な治療につながることが期待されています。


【研究内容】

当九州大学第二外科において切除された原発性肺癌症例の標本を用い、どういった上皮間様転換機構関連遺伝子が働いているかを調べます。その結果と患者さんの背景との関係を調べることにより、どういう患者さんの場合に手術の成績が良くなるのか、またどういう場合に更なる治療が必要になるかなどを考察します。

◎方法

1)切除後肺標本、診療記録、病理検査レポートから臨床データを抽出します。
2)上皮間様転換機構関連遺伝子の発現量(mRNAおよびタンパク質)と手術後の生存率との関連を検討します。
3)その他の臨床データとの比較とを行い、その遺伝子が転移や再発に果たす役割を検討します。


【患者さんの個人情報の管理について】

本研究の実施過程およびその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。
対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡ください。


【研究予定期間】

承認日より2015年5月31日までを本研究の研究期間として予定しています。


【医学上の貢献】

この研究により原発性肺癌における上皮間様転換機構関連遺伝子および予後との関連が示唆されれば、新しい治療方法が開発され、医学上の貢献があるものと考えます。


【研究機関】

九州大学大学院 消化器・総合外科(第二外科)
教授 前原 喜彦
准教授 調 憲

【連絡先】

〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1
TEL 092-642-5466


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