平成4年入局 川原 尚行 Naoyuki Kawahara



NPO「ロシナンテス」代表


 今の時代は恐ろしいくらいの速さで展開していっています。この変わりゆく時代の中で、不変のものが根底にあるこの教室こそ、次世代に誇れるものにならなければと思います。
 私は、平成4年に当教室に入局し、大学院を経て外務省に入省しました。海外に身を置いて10年以上経ちました。
 今はアフリカ・スーダンでNPOを設立し医療活動を行っています。スーダンは内戦が続き、現在でも紛争のある国です。日本とは全く異なる環境下にあって、医療のみの活動に留まりません。水・衛生問題、保健教育、学校教育、産業育成など多岐に構想は広がります。また、九州大学とスーダンの研究所との学術協定も締結されました。政治的、宗教的なものを乗り越えて、学術交流が成功することに尽力しています。
 私は年に2回ほど帰国し、教室に顔を出します。私の身分は留学生となっており、赤で表示されています。そして、在籍を示す白に反転させます。年に2度の反転です。これが私の身の拠り所であり、教室員が頑張っていることが、海外での私の励みにもなります。これが、教室の本当の良き伝統になっているのでしょう。
 この伝統を守り、そして新しきものへと発展させていく気概も持って、将来を見つめてください。



川原 尚行先生 写真

平成7年入局 橋元 宏治 Koji Hashimoto



クリーブランドクリニック 勤務


 私はアメリカのオハイオ州にあるクリーブランドクリニックで、腹部多臓器移植のクリニカルフェローとして勤務しています。こちらではドナーやレシピエントの手術に加え、移植の適応評価、ICUを含めた患者管理などのトレーニング中です。アメリカの臨床プログラムに参加する利点は、短期間に圧倒的な症例数を経験出来ること、世界中から集まってくる仲間と競い合えることだと思います。
 クリニカルフェローシップは、レジデントを終えた医師が自分の専門分野をより深く掘り下げて行くためのトレーニングプログラムです。移植外科では昼夜を問わず手術があるため時間に追われる毎日です。肉体的精神的にタフであることが要求されますが、とてもやりがいがあります。医学部の学生の方、また卒後間もない方の中にはアメリカの医師免許取得を目指して頑張っている方が多くいると思います。決して平坦な道ではありませんが、努力する価値は十分あります。日本での経験を基礎に、自分の力を伸ばす大きなチャンスにめぐりあうことが出来ると思います。


橋元 宏治先生 写真
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