私は米国のボストンにあるダナ・ファーバー癌研究所で、ポスドクとして勤務しています。現在、乳癌の免疫微小環境について研究を進めています。今や2人に1人が癌に罹患し、9人に1人の女性が乳癌に罹患します。臨床医として癌という疾患の理解は必要不可欠です。外科医としても疾患の深い理解なくして良い手術はできません。
米国で基礎研究を行う利点は、世界のトップを争うスピード感を実感できる事、世界中から集結する研究者たちとのコラボレーション及び切磋琢磨、潤沢な研究資金のバックアップがある中での研究生活だと思います。1分1秒でも良い結果を出すことが常に要求され、自分の行った研究成果を発表・議論を通じて論文発表する工程ではそれなりのタフネスが必要ですが、とてもやりがいがあります。
基礎研究留学に限らず、海外留学で大事なのは、その土地の多様性に富んだ文化を体感すると同時に、今までの自分の価値観を客観的に見直す事ができることです。日本の外に出て生活しなければ分からなかったことが沢山あります。皆さんも一歩外に出て、新たなチャレンジをしてみませんか?